ニーチェの馬 [DVD]

ニーチェの馬 [DVD]
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監督
タル・ベーラ
出演者
ボーク・エリカ
デルジ・ヤーノシュ
上映時間
154分
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何という画力だろう。ほとんど何も起きないこの物語から目を離せないほどに。人間が原子力などの大きな力を、自分たちに扱えると盲信した末に行き着いた場所のように思えた。人間の抑制の利かない欲望や物質主義は、必要最小限で慎ましく生きる者たちから、あらゆるものを取り上げてしまう。希望や喜悦すら削ぎ落とした諦念の中を生きる彼らなのに、憤怒や悲哀で追い討ちをかける。更に端っこへ追いやるような所業だ。彼らは一体何が起こっているのか理解できぬまま。絶望から這い出ることは叶わない。強者のツケ払いは、いつも弱者と決まっている。
すさまじく人を選ぶであろう一作。下手したら開始数十分で飽きて寝る人も多いと思う。それほどまでに何も起こらないし、台詞もないし、ほとんど絵画のような静止と日常化された動作と風が繰り返されるだけだ。1日目、2日目とテロップは出るが、これは間違いなくn日目であり、終わらない日常という言葉がそっくりそのまま映像になったようなものだ。徐々に終焉を迎えるかのように見える世界だが、きっとこの日常は永劫回帰していくのだろう。絶望以外の何者でもない。あと、むしょうにじゃがいもが食べたくなる。
起承転結がないような、淡々とした映画。途中で画面に入って来た男が報せる不吉な話でさえも、その重苦しい流れに逆らえず呑み込まれていく。台詞は少なく、ただ流して観ているだけでも見応えがある。
Fal
出演:父、娘、馬、ドア、井戸、井戸の蓋、ジャガイモ...って感じの映画で、音楽もオルガンが同じメロディーを延々と繰り返す、その一種類しかないのですが、それがほとんど唯一といってもいい作品のキモ(太宰的に言うところのトカトントン)。
The Turin Horse(2011)DVD所持。モノクロ。ずっと観たかった作品、凄い。でも観るのに気合いがいるやつでした。沈黙、余韻、長い、暗い、希望なし。多分25カットぐらいしかないと思う、長回しを繋いで154分。二日目の途中からその表現、音楽、荒涼感、陰鬱さに鳥肌が立ってきた。もし子供の頃に観ていたら不気味さに怖い思いをしたに違いない。食事のジャガイモが美味しそうなだけに、ラストのジャガイモに絶望を感じる。
2012年キネマ旬報外国映画1位。 ハンガリー映画で、馬を抱いたまま 発狂したと言われるニーチェの逸話から 発想を得た映画らしい。 全編がモノクロで、農夫と娘と馬の 日常を淡々と描く。だが実は この映画 よくわからなかった。
終盤、生のジャガイモを囓るカット、悲痛であるはずなのに、自然の成り行きと捉える自分がいる。 嵐は最後にはおさまったようだが、風はいよいよ強く、いつ止むやもしれない、馬は弱り、井戸は尽き、移住も叶わず、火種も消える。 使いこなされた道具と淡々とした毎日の規則正しい動きは様式美のようだ。 風の音と同じモチーフのテーマがずっと繰り返される。 映像が正に表現し得る所、それと相反するように非常に文学的な(曖昧な表現だが)映画と感じた。 種々のリンケージを拒む閉じられた世界… 家にてレンタルで。
★★★★★ 満点。退屈の極み。なんの希望も期待もドラマも事件もハッピーなことも無い。これってつまり僕たちの人生そのものじゃん? このおびただしい閉塞感。この映画はぜひとも金曜ロードショーで全国のお茶の間に流れるべき。 今の日本全体に漂う憂鬱さってちょうどこんな感じなのだよ。 で、この映画なにかニーチェと関係あるの?
悪夢のような音楽と悪夢のような時間が延々と続く。とにかくこれでもかこれでもかと同じ画面を映し続ける執念がおそろしい
食卓に本が置いてあるぞ! 大事件だ!
何か伝えよう汲み取ろうにもこれが日常なんだから仕方ない。映画通が深読みしてマジレスするための映画。
ルーチンの描写がいい。終始流れるバックの音楽によるいかにも演出された深刻さは苦手と感じた。というかニーチェの哲学ってこんな暗いか?
絶望感が凄い。最後のシーンはまるで絵画を眺めている気分に。
全体通しての閉塞感、そしてラストの絶望感が強烈。登場する親子は、毎日同じルーティンを生きている。目覚め、着替えをし、水を汲み、ふかした芋を食べ、馬を引き、そして眠る。寒風吹きすさぶ不毛な大地でひたすら繰り返す。しかしそんな極貧生活でなお彼らは際限なく奪われていく。馬を、水を、光を。流民が捨てた聖書にすら希望を見てしまう程の絶望の下で、ニーチェの言葉がなんだというのか。世界の果てのような生活を余儀なくされる者に、肥え満ちた者が神は死んだ云々と繰り言を弄して悦に入る構図の不条理さ。息詰るほどに苦しく濃密な作品
切り詰められた生、辿々しく進む生、繰り返される生…暴風吹きすさぶ荒野で生きる親子の姿を最小限の言葉と音楽、1カット平均5分以上の長回しで淡々と描いた驚愕の作品。無神論の親子の生活は次第に馬は衰え、井戸は枯れていき、神が世界を創造した同じ日数をかけて全てを喪失していく。にもかかわらず二人の姿には諦めや絶望の色が見えることなく、剥き出しなまでの生命力が伝わってくる。例え死の咢が待ち構えようとも、決して発狂することなく尊厳を手放さないこと。世界の彼岸においても生を手放さないこと、それは何より美しい行為なのだ。
奇妙で単調なBGMが鳴りっぱなし。セリフが殆どない。モノクロ。カメラは回りっぱなしで1シーンがとにかく長い。ニーチェは出てこない。いつも強風が吹き荒れている。食べ物はジャガイモだけ。観ていると気がおかしくなりそうになる。閉塞感と絶望感が半端ない。こんな映画もあるんだと驚いた。
来る日も来る日もジャガイモばっかり食べているのを見て腹を抱えて笑うのがニーチェ的なんじゃないのか。よく知らんが。
「人生はどう終わるのかについて触れる映画を作りたかったのです」とタル・ベーラ監督は語っている。人生は単調な一日の繰り返しのように思えるのだが、実はまったく同じ日は2回と無く、毎日何かが少しずつ失われていっているのである。ただ私達は忙しさにかまけて、そのことから目を背けて気づかないふりをしている。この映画の独特なカメラワークや時間の感覚に2時間半身を委ね切ることによって、観る者は人生の終末を疑似的に体験することができる。退屈だからといって決して早送りなどしてはいけない。見事な芸術作品である。
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