浮雲 [DVD]

浮雲 [DVD]
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監督
成瀬巳喜男
出演者
高峰秀子
森雅之
中北千枝子
岡田茉莉子
上映時間
124分
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浮雲の感想・レビュー・登録(309)

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★★★☆☆ ダメ男とダメ女のグダグダ劇。
戦後日本、底辺へ身をやつしながら、愛し、別れ、不倫する男女たちの宿業。森雅之の演じる富岡はまったくクズな男だが低空飛行を続ける陰のある二枚目であり、高峰秀子の演じるゆき子もまた彼のせいで溌溂として美しかった自分を狂わせていく。どこまで愛憎渦巻く惨めで物悲しく、やりきれない物語であった。 「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」
日本映画史上、不世出の名作に数えられる有名作品。実は初めての成瀬作品、今まで映画好きと自負しながら全くの不覚だった。何だろう、破格の面白さだ。映像に一分の隙も無く、全くの無駄が無い。役者の演技も洗礼された鮮やかさ。本当に物語とその見せ方が完璧だ。戦後日本の雑踏の中で、愚かにも逞しく生きる行きずりの男女。愛憎を越えた激しい執着の念が圧倒的な迫力を持ってして描かれる。高峰秀子の艶やかながら、身を落としていく姿が筆舌に尽くし難い程に狂おしい。映画が映画としてだけで無く、人の生活や人生に入り込んで来る類いの作品。
一見ダメ男のように見えても芯はどこか冷えて固く、人間として徹底的にダメになるすんでのところで持ちこたえる富岡。翻って、元々は(一見)清楚で潑剌とし理知的であったのに、富岡との出会いによってとことん身を持ち崩してしまい、そこから這い上がってこられなくなったゆきこ。モノクロの美しい映像で、嫉妬、意地悪、当てつけ、未練といった人間の(主に)負の感情でもって男女の愛憎を描いた純然たるメロドラマ。登場人物たちはみな愛情と情愛、憎しみと執着の区別がもはやつけられなくなっているように見える。それでも高峰秀子には気品が。
大阪ステーションシティシネマにて鑑賞。
誰かが誰かを訪問することで物語が展開する。訪問する前に手紙を書く女、高峰秀子。対する森雅之は、戦地から妻への手紙はまめに送っていたのに、内地では自分の原稿以外に筆をとらない。序盤のあばら家も2度目の温泉宿も高峰からの手紙や電報でその居場所を知る。誰も入れないはずの場所には音が忍び込む。術後の高峰が休む病室にはバイクと車のエンジン音が響き、三面記事の文字までもが彼女を苛む。屋久島に向かうフェリーの病人のベッドにも容赦なく汽笛と喧噪が届き、意地でも彼らを2人きりにはさせまいと企んでいるかのよう。
小津安をして「オレには撮れない写真(映画)」といわしめた作品。もう森雅之のダメンズぶりが徹底していて、仏印では清楚だった高峰が敗戦後の東京ではパンパンにまで身をやつしてしまう悲哀。バタ臭い音楽が見事に雰囲気を醸し出していて、何かにつけて森と高峰がただ歩くシーンに味わいを出している。唐突に高峰が病に伏せった感があり、あれは伏線的に咳き込んでいたみたいな演出が必要だったのではないか。インチキ宗教家の山形気の毒な加東大介の好対照なキャラも面白かった。新宿にて、1100円。
戦時中に外国で出逢った男女が戦後の混乱期も不倫を続けていくお話し。全編、暗鬱漂う雰囲気で進んでいく映画です。森雅之さん演じる富岡はダメンズのくせに中途半端に真っ当に生きようとして高峰秀子さん演じるゆき子から離れようとしますが完全には離れられません。ゆき子も離れるチャンスは何度かあるのに富岡を引き入れてしまいます。端から見てるとそんな腐れ縁さっさと切っちゃえ!と思いますが当人にとってはかけがえのない愛人に見えるのでしょうね。人に取られそうだから余計に良く見えるのもあるのでしょう。愚かで儚く美しく虚しい映画。
2016/5/21『浮雲』『驟雨』新文芸座 成瀬巳喜男特集
成瀬流ネオレアリズモ。
女がいない場所へ二人で逃げてきたのに、まだここにも女がいるか。男は一緒に地獄に落ちてはくれない。言葉は行動によってのみ裏書きされる。ゆき子の激情は、どんな女の中にも必ずある。クズ男だがなんだろうが、、これは執着だ。苦しみがあまりに多すぎる。
く、クズ男~~!!と思ったが、こうなるしかない道行きなのだろうな。それはそれとして戦後の混乱期のわちゃわちゃした感じめっちゃ好き。
こんなダメ男、あかんでしょ!と言いたいのですが 女心の奥底を描かれてるようで、観ていて痛くなるのです。 高峰秀子、上手いですねぇ。 清楚な女性が、男に翻弄されてどんどん落ちぶれていくさまや どことなく漂うやるせなさ感が良かったです。 そして、森雅之。私にはどうも太宰治に見えて仕方なかったです。 何回か出てくる、ふたりだけで歩くシーンが印象的。
日々を慰安が吹き荒れて 帰ってゆける場所がない 日々を慰安が吹き抜けて 死んでしまうに早すぎる もう笑おう もう笑ってしまおう 昨日の夢は冗談だったんだと
男には孤独があるが女にはない。男にはみっともない自分を道化にすることができるが女にはできない。心中しようと言うのに同調していたゆき子が後になれば「あなたをもっと生きさせたい」などと言うのも美より生活の女の性質をよく表している。最も富岡も情けなく死ぬのをやめたが、男の方にはそれに伴う哀愁がある。
死ぬまで続く腐れ縁。
jjj
BSプレミアム
未練がましく続く恋物語というのはやはり悲惨になってしまう(こういう人は実際いるけど)。全体通して二人の関係が変わるなど大きな展開も無いので、2時間超も観るのは苦痛だった。映像的にもそこまでの見所は無かったように思う。
男女の関係って普遍的、ってあらためて思います。お嬢さんみたいな高峰さんがどんどん荒んでいく様子が上手いなあと。戦後の日本の立ち直り方というか、そういうのを女の生き方で見せつけたのかな。男ってズルくてばかだなあと思うけど、それを手放せない女もツライもんです…
男は根無し草。でも仏印(ベトナム)の森と屋久島の森に憧れのようなものがあるのか。それと戦後焼け野原の東京では生活感がない男だ。むしろ女のほうがたくましい。たぶんに林芙美子的な生き方なんだろうけど。パイパンから宗教まがいの詐欺まで生き延びるためになんでもやる。そこに愛があるというわけでもない。情事だけなんだが。情の脆さか。日本人にある弱点を上手く描いているのかもしれない。高峰秀子と森雅之で戦後の日本のあり方を見事に表現した作品かもしれない。
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