ツールボックス・マーダー [DVD]

追悼トビー・フーパー。

１９２０年代からあるマンションは変わり者がたくさん住んでいる。次々と住人は殺されていくが他の人はなかなか気付かない。主人公はやがてマンションには隠し部屋があって侵入するのだが…。

全然期待してなかったから結構楽しかったけど、総合すると全然ゴアってないし、簡単に人死ぬし、殺人シーンは肝心なところがあんまり見えないし、ツールボックス言う程活躍してないやんけ。一言でいえばサスペリア、トビー・フーパー仕立てちょっと13金1作目風味。物理殺人鬼がいきなりオカルトに路線変更し、しかもあんた誰みたいなやつでしたとさ。せっかくだからスリーブラザーズとか言いながらあと2作作ってしまえばいいのにとか思ったよ。良かったところは隠し部屋にいっぱいの死体とちょっと楽しそうなラスマンさんが可愛いところです。

アール・デコ調の不気味なアパートメントが舞台で建物内の設備が欠陥しまくっているという設定だけでワクワクする一本。ホラー映画の巨匠トビー・フーパーが監督というだけあって安定の面白さはあるものの、脚本をよく分からない若手二人(といっても『レプティリア』にも名前があるから監督と親交はあるのか…)に担当させているのはどうなのか。脚本もフーパー自身が手掛けていたならば、また違った味になっただろうと思えるだけにその点は残念。しかし工具類で一番怖いのはネイルガンだと思うんだ…。

俺の天使シェリたんがヒロインかのように登場し冒頭で死ぬっ！(合格)ジャケットのかっこいい殺人鬼が殆ど出ないし実はウィルスのせいで不死身なんだぜって言うのがメイキングを見ないとわからないっ！(一応ワクチンみたいなのうつシーンはある)脚本もトビー・フーパーに書かせたらもっと面白かったのでは、ないか。ヒロインが細過ぎてはらはらする。

ホラーのあるあるでコイツめちゃめちゃ怪しいやないか！って思ってたらアッサリ殺されちゃうシーン、しっかり撮ってくれてます。殺人鬼が男の顔に酸をかけて溶けていく様をウフフ、ウフフと嬉しそうに見てるシーンが印象的。殺害シーンは割りとアッサリめ。まあまあ観れる感じ！

古いアパート（ホテル）の隠し部屋にこっそりレザーフェイスが棲んでましたって話。意外と話の筋は通ってるし、隠し部屋探索とかアトラクションっぽくて好きなんだけど、「悪魔のいけにえ」に熱狂したホラーファンはこんなもんでは納得しないだろうなたぶん。

何十年も前にアパート（当時はホテル）をたった一人で完成させたラスマンが趣味の黒魔術で不死身化して、こそこそっとアパートを改装する住人達を日曜大工道具で大殺戮！と、ざっくり書くとこういう話。ですが全体的にテンポがのんびりなのでちょっとダルい。アパートの謎解きにちょっと時間を割きすぎかな。その割にはとんとん拍子に謎は解けていくし。あんだけ人が失踪していてアパートの管理人が気づかないとか人物設定もゆるめ。釘銃はなかなか良かったけど、殺人鬼の登場もグロもひかえめ。

★★☆☆☆ 悪魔のいけにえのトビー・フーバー監督の作品。 グロさに頼り切るわけでもなし、テンポもいいし、オチも王道で中々でした。 しかし、結局霊的な要因で生き残ってるのか、メイキングで言っていた「病原菌」とやらが原因なのかはわからずじまい... 途中まですごく面白かっただけに、少し惜しい作品でした！