isbn479480542X


記録初日
2011年03月13日
観たビデオ
1599本 (1日平均0.7本)
観た時間
176556分 (1日平均73分)
性別
自己紹介
監督をスティーブン・ソダーバーグ氏、脚本をマックス・ブルックス氏が出がけた怪獣映画が観てみたい。

●好物はアニメとスパゲッティ。
○最近のお気に入りはアーサー・クリスマスの大冒険。アーロと少年、タイピスト!。
●嫌いなものは、感想めぐりで限定すると、なぜそのような結論に至ったのか外部からは辿りづらい曖昧で、そうにも関わらずそれがあたかも客観的評価であるかのような口ぶりのコメント。
 個人の主観であることが明示的な感想は好きですし、私もよくやります。(「涙or笑いが止まらなかった!」「裸が出てきた!」とか)
 わたしが嫌っているコメントは、たとえば「ツッコミ所が満載」と言いつつツッコミ所を1つも指摘しないツッコミ所満載のものや、「内容がない」とだけ書かれたまるで内容のないものです。
{蓮實重彦やらの映画批評文体やテツガク用語を使うだけ使ってショットやらを詳述しないコメントや、作品の固有名詞をあげつらうだけでその作品の内容同士の比較をせずはっきりしないコメントだとなおのこと嫌いです。それに加えて「批評眼に優れたおれに比べて一般大衆は」などという小言が入れば数え役満です。嘔吐らす。
 ていうかおれが嫌だっつっているのは、これらなんですよ要するに。
 いやあなたがひとりで読む分にはそれで良いと思いますよ。でもWWWに上げるからにゃあ、あなたが蓮實重彦ばりに優れた批評眼の持ち主であることを知らないひと・あなたがコメント内で挙げた作品も本当に観ているか知らないしそしてどういった検討のすえにその結論に達したのかを知らないひとの目にも止まるわけで。
 WWWに上げるからにゃあ、当の蓮實氏がわりと短めの映画時評でもご自分の偉さにかまけずワリカシきちんと具体化するかただと知っているおれの目にも止まるわけで。
 たとえば御大がノーランをダメだとおっしゃるとき、『バットマン・ビキンズ』の暴走列車がどっかに突っ込むか否かをかけ正義漢と悪役が戦うというヤマ場のシーンで、列車内で格闘するふたり・列車の高架下で慣れない運転で追走する脇役・悪役らの企みに気付いたインフラ業者の並行モンタージュが成立していることを指摘しつつも、格闘するふたりとその後ろの窓外で高速に流れる夜景も捉えたシーンがないので暴走列車の疾走感がないことを記し。そして同じくアメコミ原作映画『スパイダーマン』(サム・ライミ監督版)やトニー・スコット監督はそうではなかったと記していたことを知ってるおれの目にも止まるわけで。
 そうした感想を見たおれとしては「蓮實重彦フォロワーなら、御大のカッチョイイ語り口だけでなくて、他人にその内容をそれなりにきちんと伝えるカッチョよさもフォローしてよ」って思うのです。
 そうした語り口をするからには多少は批評を読んでるわけだろう、その内容に感化されたわけなんだろう、どうしてそこをフォローしないんだろうって話なんですよ。

〔べつに御大が手放しに良いってわけじゃない。さきに挙げた例も、御大は説明不足だと思う。そういう輩なので、それに輪をかけて説明不足なコメントは嫌いなわけです。
 『BMB』ではいちおう、御大が「ない」と言った格闘するふたりと窓外の街並みの動きが描かれているのだ。2:02:03-04では格闘するふたりの背後に、駅のホームらしい白色灯と看板の緑の光が2:02:33-34ではゆったりと歩く悪役の後景の窓外に流れるビル灯が、カメラのコンポジションに合わせてパースペクティブを変えながら高速で流れているわけで、秒単位コンマ単位のポール・グリーングラス監督作品的な細かなアクション繋ぎのせいで、流れる夜景自体を被写体としてのぞむようなショットこそないけれど、格闘するふたりの背景にはたいてい車窓があり、そこには流れる夜景がある。
 で、御大の言は、『スパイダーマン2』のヤマ場(=夕方に入った、しかも乗客のいる暴走列車が突っ込むか否かをかけ正義漢と悪役が戦うシーン)ときちんと比較したとき、たしかに速度変化によるサスペンスは乏しいなと分かる。
 『BMB』では夜のモノレールにぶら下がったバットマンが歩道橋にぶつかり薄鉄板の屋根を凹ませ手すりをバラバラに壊し飛ばしと屋根灯の蛍光灯を壊して火花を散らせるさま2:00:22やトラックの積み荷をかすめるさま2:00:37が描かれるけれど、そうした速度による暴力は『S2』では列車上でふたりの行う格闘の最中で現れるアクションとリアクションなのだ。
 『BMB』の列車上格闘は悪役もバットマンも車内から出ずに得物で殴ったり蹴ったりに終始して、彼らが取るいちばん大きなアクションは人をつき飛ばして窓ガラスに頭を突っ込ませる(そして正義漢を車内で倒れるままにする)程度。別に静止した室内でも出来るアクションがほとんどだ。
 それに対して『S2』の格闘はほとんど列車外で行われ、窓などない開けた画面には夕方で明暗の激しいニューヨークの街並みがカメラワークに従いパースペクティブを変えながら流れていく。コンマ単位でカットを割らず、悪役が正義漢を投げて線路の歩道橋にぶつけようとしたり対抗電車で轢かせようとしたり、高架下に落としアスファルトに転がらせそこを走る車にあわや轢かれそうにさせ、線路に押し付けようとしてさせまいと踏ん張る正義漢の体を鉄道標識が幾つも迫って叩いたりと、カット繋ぎのめまぐるしさでなく、列車のもつ速度自体が武器にされるさまを捉えていく。
 『S2』における暴走列車がホームを通り過ぎる場面では、格闘するふたりを車外壁で戦わせることでホームで電車を待つ人々が次々に飛び退き倒れる姿を映す。

 ここまでで車自体の速度と格闘の関係については書けたと思う。
 ここでちょっと御大の恣意的な捻じ曲げを指摘。
 『BMB』は御大が言うような列車の運動が停止に転換されることによる情動なんてハナから意識してないのだ。だって正義漢の目論見は列車を暴走させ続け悪役を車内にとどまらせることであり、ということはつまり暴走列車を激突させてしまうか否かでなくて、バットモービルを操る脇役が列車激突前に線路破壊できるか否か・バットマンが列車から脱出できるか否かにある。

 じゃあ列車より高速なはずのバットモービルにサスペンスがあるか、というと、これが無いのだ。
 バットモービルは列車激突前に砲撃地点にたどり着くため猛スピードで向かう。ここでモービル内から外をのぞむ車窓には速やかに流れる夜景があり、列車の窓からのぞむ夜景以上の速度だ。
 バットモービルは交通整備の警官を唖然とさせたりしつつ、また乗用車にぶつかって火花をあげつつ、目的地へ向かう。このバットモービルは強固な装甲車なので多少当たった程度ではビクともしないのだけど、脇役の運転は多少当たった程度でおさまるものなのでクラッシュどころかスピンする心配も無く、その強固さや速度があだとなるスリル(=たとえば猛スピードで追いかけるバットモービルの前に人が現れあわや轢きそうになってしまう)といったこともまた無い。

 ではバットモービルがその強固さを武器にしたことはないのかと言えば、実のところある。
 そうしたサスペンスはもっぱら正義漢が恋人を助けるため自宅に帰るシーンで行われる。車窓は脇役の操ったとき以上のスピードで流れる夜景があり、荒々しい運転に車内は大きく揺れる。
 バットモービルはパトカーを踏みつけ、パトカーやヘリの追跡・進路妨害をかわしつつ、夜の街の窓ガラスを叩いて回り、立体駐車場の車を踏みつけ、壁を破壊しジャンプし民家の瓦屋根に着地・壊しつつ進み、それでも次から次へと湧き出るパトカーにマキビシなどを浴びせ前宙させたり、バットモービルがレーダーで周囲の空間を正確に把握し小刻みにコーナリングをする一方で追っ手のパトカーが運転を誤り前宙したりしてその速度が暴力的な域に達していることを伝えもし、ハイウェーの中央分離を破壊したりしながら突き進む。なるほど素晴らしい。

 さて脇役が運転するバットモービルの話に戻すと、あれは前述の正義漢による運転を反転させた結果と言える。
 片や都市の平和を守るため脇役によりヨタヨタとまごつきながら進むバットモービルと片や恋人の命を守るため正義漢により猛烈果敢・正確無比に進むバットモービル。まあコントラストがある。
 でも、クライマックスなのだから、そのまごつき運転のほうにこそド派手な破壊が配置されてほしかったという気持ちはあるし、街を壊さないにしても他者に操作を任せたバットモービルが壊れゆくことで次作『ダークナイト』を予感させるような展開もまたできただろうと思う。
 脇役の運転するバットモービルは、なんだか地下道路を進んだのちシレっと線路を破壊するための砲撃地点に先行到着し・停止できてしまう。(暴走列車とのクライマックスでは、列車が水を気化させる装置を載せてあることでマンホールが飛び地下水道の水が白い霧となって噴出する動きでもって列車の位置が地上でも可視化されている訳だけど、バットモービルが地下に入ったときそれを抜かしつ抜かれつといった画はない。『S2』のスパイダーマンと先行する列車を同一フレーム上に収めながらスパイダーマンがビルを登ったり飛び降りたりしてパワフルに距離を縮める「確かに追いついた」という説得力ある1ショットなどがないまま、またその不透明さがことさら強調されるような書き込みもないまま…たとえば前段で機能したレーダーがバットモービル破損により不調となるとか、レーダーの表示速度よりもモービルの移動速度のほうが速いとかそういう不透明さがないまま…、バットモービルはぬるっと目的地へ先にたどりついてしまう)

 ということでお話の分水嶺は「結構に運転のうまいことを示した脇役が勝手知らぬ他人の車に慣れて、停車した状態で線路橋を砲撃できるか否か」であり。
 その目論見を正義漢がセリフで明らかにし、そのセリフにより悪役もまた正義漢の目論見を理解し、すると脇役が線路を砲撃するショットが大写しになるというまるでアイデアが閃いた人の頭上に豆電球が点灯するみたいな(コメディでもなかなか見られなさそうな)モンタージュでもって大団円のミニチュア特撮的暴走列車による破壊描写がくる。
(で、車内格闘の速度のなさ、そこから来る「別にこれ列車でなくても出来るアクションじゃね?」が、室内に風穴が開いて悪役の髪を揺らし暴走列車が暴走列車としてのふるまいを許されたときにようやく解消される、情動があった)
 五里霧中の錯綜した状況がある一言でもって見通しよくなる、この動きの転換には情動がないのか、そちらの検討はしなくて良いのか(で、前述した通り、不透明さの書き込みもやっぱりイマイチなんだけど)、ノーランがそちらに重きを置いていたならそもそも『スパイダーマン』との比較は適切なのか、とか思ったりするおれとしては「御大のお言葉はちょっとずるいなあ」と思いつつも「たしかに」と納得したりもした。

 たしかにそう言われてみると『BMB』のクライマックスはセリフによる謎解きでなくて、もっと映像として盛り上げてほしかったなと…たとえば、列車が悪役の目的地にあわや激突するというところで、横転縦転してボロボロのバットモービルが現れ走りながら砲撃、外したことで電灯と異なる光が車窓から入り悪役が正義漢の目論見に気づきバットマンを一撃昏倒させレバーを増速させるべく運転席に向かう(てことで、前段で行うバットマンの破壊工作はレバーを壊そうとして壊せなかったという方向で行く)、脇役操るバットモービルがゼロ点補正も考慮したうえで狙いをつけて「今度こそ」というところで射線に人が遮り急ハンドルを切り別のところへ砲撃、外した砲撃で建物が崩れ瓦礫が線路に入り列車がわずかに減速、バットマンが気絶から回復し悪役をノしたところで脇役が激しくスピンしながら放った3度目の砲撃がついに線路に命中。崩れる線路、沈みそして爆発炎上する列車。そして巻き上がる粉塵のなか颯爽と上昇する黒い影を、インフラ業者が確認する、とかしてほしかったな…と思う〕}

 もちろん、自由な空間なのでなにをどう書いてよいと思います。(だからこうして私が嫌だと話せることも許されているわけですし)
 わたしが嫌いなだけで、そうした感想がお好きなかたもいらっしゃいましょう。
(こういうのがイヤだって言っちゃう文章のほうがイタくて嫌いだっていう人のほうがむしろ多いでしょう。そんなん百も承知ですよ、ネチケットやら毒吐きネットマナーやらを読んできたいたいけな少年期を過ごした人間ですからね。
 おれが心底きらってるような、根拠レスの言い切り短文がイタくない身振りなのも承知ですよ)
 また私にとっても、作品の知見を深めるには無益だと思いますが、評者の判断材料として有用なコメントでもありますし、どうぞお好きなようになさってください。

※以下の「良かないですか」には、排他的な法的強制を望むような意図はありません。たんなる愚痴です※
{作品に対して思った良し悪し快不快どんな点を書き残すにしても、きちんと具体化したほうが良かないですか。
「単に自分の鑑賞録に使ってるだけだ、よその目なんて気にしない」というかたでも、そもそもご自分の目からして不変でないわけで。(それは、記憶に留めるだけでなく記録としてアウトプットしている以上は了承していただけるでしょう。
 これの指すところは「子供の時は・大人になって観たら評価が変わった」「リアリティがある・ありえないと思っていたが現地に行ったら評価が変わった」というような、知識や経験の増減から来るものだけでなく、その日の体調や鑑賞環境などについても言っています。
 たとえば「劇場で観たときは酔ったのに、TV画面では平気だった」ということは、眼球運動の移動幅が違うからかもしれませんし、画面の色調設定が違うからかもしれません、単純に仕事で疲れたあとだったり何だったりするかもしれません…いろいろな理由が考えられると思います)
 そのときの自分が作品とどう向き合って、いかような評価を下したのか…そのプロセスを具体化しないと、けっきょく鑑賞録としても機能しないのでは、と私は思います}
※「あと(略)も好物」と皮肉の形で書いていた文章を、指摘をうけて書き直しました。
●萌えるところは裏口。
 たとえば人が食事・会話する後ろで、他のテーブルを片す人や厨房で料理をつくる人、皿を洗う人、その裏で制服に着替える人や紙ないしPCでシフトやらを調整する人、その後ろでゴミ出しに行く人とか。
 あるいは表通りで無法者と保安官が睨みあうなか、ヒゲ剃りナイフを客の顔から離す床屋や、音楽を止める酒場の演奏家、逆に決闘の勝敗を賭け始める飲んだくれや仕事をし始める桶屋とか。 後景でなにやら動いているところに弱い。

鑑賞グラフ

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